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院長ブログBlog

新型コロナ

新型コロナウイルスのワクチン接種について

春が待ち遠しい今日この頃、皆さん新型コロナに負けず、日々頑張っていらっしゃることと存じます。私も微力ながら皆さんの健康の一助となるべく日々闘っております。

 

さて、217日より国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。
国民の関心の高さを表すかのように、連日、メディアでもワクチンの話題が溢れています。

 

当院に通院中の患者さんからも毎日のように「ワクチンは打つべきですか?」とご質問を受けます。そして私は、「基本的には打った方が良いです。」とご返答しています。

 

また、患者さん方の新型コロナウイルスのワクチンに対する意志自体にも変化を感じています。数か月前はワクチン接種自体が心配で打ちたくないという方も多かった印象でしたが、最近は多くの方が接種することに前向きになっているように感じます。

 

そこで、ワクチンを接種するべきかについて、私個人としての意見を簡単に述べたいと思います。(私は感染症の専門家ではないので、今回ワクチンの仕組みなど学術的な話には敢えて触れませんが。)

 

まず、新型コロナウイルスのワクチン接種についてですが、「今までに内服薬や注射薬でアナフィラキシーショックになった方以外」に関しては、やはり接種した方が良いと考えています。
何故なら、新型コロナウイルスのワクチンの効果に関しては、二つの意義があるからです。

 

まず一点目は、接種することによって、もし自分がコロナに感染しても重症化しにくくするための意義です。つまり、一個人としての効果です。

 

次に二点目は、できるだけ多くの方がワクチンを接種することで、感染拡大自体を抑えるという意義です。つまり、集団としての効果です。これもすごく重要なことです。

 

ワクチンの理想は、ワクチン接種によってその病気に罹りにくくなることですが、その点から言えば、このほど国内でも投与が開始されたファイザー社のワクチンに関しても95%の感染抑制効果があるというデータが出ていますので、それなりに感染予防効果があると思います。しかし、新型コロナウイルスに関しては、無症状感染者やPCRの検査精度の問題点などを踏まえると、実際の感染者数の把握は困難である上、ウイルスの遺伝子変異の問題もあるので、実際の感染予防効果というのはもっと低くなる可能性があります。

 

ただ、それはそれで仕方ありません。
あくまでも、ワクチンの一番の目的は「重症化リスクを減らすこと」だからです。
ワクチン接種によって重症化率が減少すれば、確実に死亡者数は減少します。
インフルエンザなど季節性の感染症のワクチンに関しても、集団の中である程度以上の割合の方がワクチンを受けることが感染拡大を防ぐのに重要なことは皆さんご周知のことですよね。基本的にはそれと同じ考え方です。

 

例えば、(かなり大雑把な考え方ですが、)5人の集団があったとしましょう。
新型コロナウイルスに関しては、身近な人への感染力が強いのは既知のことです。
もし、その5人の集団の中で1人が新型コロナウイルスに感染した場合に、その集団で1-2人しかワクチンを打っていない場合は、集団内で感染がほぼ確実に広がります。
一方、5人のうち4人がワクチンを打っていると、誰か1人が感染しても、その集団の中では感染拡大は確実に起こりにくくなります。そうして集団ごとの感染拡大が減れば、確実に全体的な収束に向かっていくのです。これが、ワクチン接種の意義です。

 

では続いて、懸念されている方が多かった「ワクチン接種による副作用」の点にも少し触れておきます。
まず、長期的な副作用に関しては、現時点では誰にも分かりません。ただ、ワクチンの機序から考えれば、長期的に何か大きな副作用が起こるとは考えにくいと思われます。

 

また、接種の際の一番重篤な副作用といえるアナフィラキシーショックについてですが、ファイザー社のワクチンは、アナフィラキシーショックの頻度は20万人に1人とデータが提示されています。仮に、福岡市内で100万人が接種したとしたら、5人程度ということです。それに、もし、アナフィラキシーショックになったとしても、病院、診療所、医療従事者がいる集団接種会場で接種するので迅速な対処が可能です。ほとんどの場合は救命できるはずです。
一方で、最近の福岡での死亡者数を考えてみてください。福岡市内でも1週間で少ない時でも5人以上亡くなっています。
以上のことから、ワクチンの副作用でなくなるリスクより、ワクチンを接種せずに感染して亡くなるリスクの方が比較にならない程高いのは言うまでもありません。
一時的なワクチン副反応があったとしても、現時点で後遺症の残るような重篤な副作用はほとんど報告されていませんので、こういった点からも、やはり基本的にはワクチンは接種した方が良いと私は思います。

 

では、アナフィラキシーショックの既往がある方に関しての接種はどうでしょうか。
基本的には積極的には推奨しないというのが一般的な見解でしょう。
そういった方に関しては、元々インフルエンザワクチンにしてもお勧めしにくいですし、新型コロナウイルスのワクチンに関しても私たちの方からは勧めにくいというのが現状です。
ただ、特に高齢者や基礎疾患のある方に関しては、アナフィラキシーショックになって死に至るリスクより、コロナに罹って亡くなるリスクの方が確実に高いと予想されます。
基礎疾患のない若い人で、アナフィラキシーショックの既往がある方に関しては、確かに接種を避ける方針でも良いかと思いますが、高齢者や基礎疾患のある方に関しては、アナフィラキシーショックの既往があっても受ける方が良いのではと私は考えています。

 

子供(16歳未満)と妊婦さんに関しても様々な議論がされていますが、現時点ではやはり推奨できるとは言えません。妊婦さんに関してはアメリカでは一定数接種しているようですし、おそらく大丈夫だろうというのが本音ですが、まだ安全性を示すデータがほぼない現状では、もうしばらく様子をみるべきとしか言えません。

 

以上が現時点でのワクチンの副作用を踏まえた私の見解です。

 

最後になりますが、私個人の意見としては、できる限り多くの方に新型コロナウイルスのワクチンを接種して頂き、個人としての感染および重症化リスクを減らし、また、集団としての感染拡大抑制、さらには国内での感染拡大抑制に貢献して頂ければと思います。(勿論、押し付けでも強制でもなく、理解・納得の上で、です。)
この新型コロナウイルスがワクチンだけで解決する問題ではないのは承知の上ですが、現時点では有効と言える治療薬もなく、このワクチンに頼らざるを得ないのが現状です。
一日でも早く日常を取り戻せるように、自分のため、社会のために少しでも多くの方にワクチンの接種に前向きになって頂ければ、との思いを込めて、今回のブログを締めくくりたいと思います。

 

季節は日々、一歩一歩、春へと向かっています。終わらない冬はありません。
昨日より少しでも前向きになれる今日を、今日より少しでも笑顔や元気になれる明日を皆さんが過ごせる一助になれれば幸いです。
ご心配、ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
一緒に頑張りましょう。

診療時間
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当院は「地下鉄呉服町駅1番出口すぐ」に位置します。

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