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博多いせがわ内科循環器内科 医療法人 逢

院長ブログBlog

新型コロナ

福岡での最近の新型コロナウイルス感染症の状況について

残暑お見舞い申し上げます。毎日、暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

巷では、相変わらず、「新型コロナウイルス」という言葉を耳にしない日はなく、一体いつになったら安心できる日が来るのかと途方に暮れている方も多くいらっしゃることと推察致します。

 

そんな状況の中、今、私が一番心配していることがあります。
それは、夏休みが明け、学校が再開したことです。
勿論、教育の確保は重要で、現状では学校の再開は当然だと思います。
ただ、学校の再開に伴い、今後1か月で新規感染者数は再び急増するのではと私は懸念しています。

 

私個人の見解ですが、今回の新型コロナウイルス感染症は、学校関係での感染が感染拡大に大きく影響している可能性があるのではないか、と考えています。
一時期、東京での歌舞伎町でのクラスターの影響から、福岡でも夜の街が感染拡大の主因かのような報道が続いておりました。勿論、東京における夜の街での潜在的な感染拡大→首都圏での増加→地方への拡散、という構図も間違ってはいないと思いますが、福岡での感染拡大の原因に関しては、私はそれだけ(夜の街だけ)ではないと感じています。

 

では、夜の街以外に考えられる感染拡大の主因には何が考えられるでしょうか?
私は、その大きな主因の一つは「学校関係」なのではと推測しています。

 

この考えの基盤としては、毎年流行するインフルエンザでの背景があげられます。
インフルエンザに関しては、学校関係が感染拡大の温床になっていることに、皆さん異論はないのではと思います。それと同様に、新型コロナウイルスも当てはまるのではないかと私は考えているのです。

 

ここでもう一度、新型コロナウイルスに関して、4月以降の動向を振り返ってみましょう。

 

まず、4月の緊急事態宣言に伴い、社会活動が徹底的に止められました。
(→この間、学校は3月から休校となりました。)
その結果、5月中旬頃から第一波で増加していた感染者は激減し、6月より社会活動や学校も徐々に再開しだしました。
そして、6月に北九州市でのみ一時的に急増しました。
(→一部の地域の学校でクラスターが発生し、北九州市内の比較的離れた地域に点々とPCR陽性者が確認されました。)
この時のクラスターは、学校を介して、生徒の親が各職場などに持ち込んだ可能性はないでしょうか。(※これはあくまでも仮説で確定的なことは言えませんし、決して当事者が悪い訳でもありません。あくまでも経路を予想した時の例としてだしているだけです。)

 

それから、学校が通常授業に戻っていき、数週間経過した7月に入った頃、PCR陽性者数が増加していきました。そして7月下旬から8月初旬にかけてピークに達しました。

 

その後、8月に入って学校関係が夏休みに入り、8月中旬頃よりやや減少傾向となりました。

 

こうして見ていくと、PCR陽性者数の推移に学校が影響しているように見えてしまいます。
特に、この8月の減少の要因に関しては、学校関係の夏休み以外に説明がつかないのではないでしょうか。

 

また、7月下旬頃には、PCR陽性者数以上に、「実際の感染者数」は間違いなく激増していました。そして、7月中旬以降、保健所の検査体制が変わりました。
それまでは保健所が濃厚接触者を積極的にPCRしてくれていましたが、その頃より実際の濃厚接触者を「濃厚接触者」と認めてくれないようになりました。
例えば、PCR陽性者と同じ職場の同室の人でも、隣の机の人以外は「濃厚接触者」として認めず、PCRはしないというような状況です。
また、この頃はPCR陽性であることが判明しても自宅療養になっている人が多かったにも関わらず、同居の家族は初めだけ濃厚接触者としてPCRをしてもらえましたが、その後も同居しているにも関わらず、その後はPCRをしてくれないという状況になったのです。
これではどう考えても実際の感染者数を把握しているとは言えません。

 

さらに、7月末頃には福岡市内の幼稚園、保育園、小中学校などの大抵の学校関係で、生徒か親にPCR陽性者が出ています。公表されているのは一部の学校だけですが、実際はほとんどの学校で出ていたようです。

 

実際、PCR陽性と判明しても、少なくとも何日かは自宅待機している人が多く、その際、親が感染していれば、同居の子供にも感染している可能性が高いと考えられます。
ですが、実際はそこの検査は適切には行われておらず、実際の感染者数を把握しているとは言えない状況なのです。

 

学校でも生徒にPCR陽性者が出た場合でも、周りの一部の人しか濃厚接触者として認められず、周囲のPCR検査は十分にされていないようです。
そのため、一部の学校でPCR陽性者数が公表されていますが、実際の感染者数はそれよりも多いと考えざるを得ません。

 

以上のことを踏まえ、感染拡大には、やはり学校関係が大きく影響している可能性が高いのでは、と私は考えているのです。

 

ただ、現実的に考えると、学校関係を止めることはできません。
となると、(以前のブログ(6月5日)でも提案しましたが、)今後は、新型コロナウイルスに対する考え方を変えるしかないのではないでしょうか。
勿論、新型コロナウイルスは怖いウイルスです。しかし、社会経済もある程度動かしながら、そして未来の日本を担う子供たちの教育も維持するには、しばらくはこの新型コロナウイルスと付き合っていくしかありません。まさにWith コロナです。

 

ですが、先が全く見えないわけではありません。
私は以前にも「実際の感染者数」は「確認されているPCR陽性者数」よりも遥かに多いことを何度も述べていましたが、「実際の感染者」の中で重症化する人はやはり1%もいないのではと考えています。
その点から考えると、最近話題に上がっている後遺症の問題も今後の重要な課題になりますが、まずはとにかく重症化する人を減らすことが最優先事項でしょう。
そうなると、治療薬は結局まだ目途が立っていない状況なので、現実的な策としては、まずはワクチンでしょう。

 

ワクチンというのは、インフルエンザでも同様ですが、一番理想なのはそのウイルスに感染しにくくなるワクチンが理想です。しかし、インフルエンザでもワクチンを打っても罹る時は罹ります。ワクチンで本当に重要なのは、ワクチンによって重症化を減らす効果だからです。
なので、新型コロナウイルスに関しても、とりあえずは重症化を抑える意味でのワクチンが開発されるだけでも事態が好転するはずです。(むしろ、ウイルス変異の可能性も踏まえたら、新型コロナウイルスに罹らないような完璧なワクチンを作るのは困難かもしれず、あくまでも副作用がほとんどなく重症化を防ぐワクチンを作成するのが現在の一番の目標かもしれません。)

 

WHOもつい最近、新型コロナウイルス感染症は2年未満に収束できるのでは、との声明を出しました。WHO自体に対する批判はさておき、WHOも全く根拠がないことは言いません。この「2年未満」という目安も、ワクチンによって感染がコントロールできるという背景のようです。
人類がコロナを脅え、振り回されるのではなく、Withコロナで生きていける日が一日でも早く訪れるように、ワクチン開発に向け、日々研究している世界中の優秀な研究者たちの頑張りに期待したいものです。

 

残暑が終われば、もう秋です。秋が過ぎれば冬が来て、風邪を引きやすい季節になっていきます。不安や心配も増すこともあるでしょうが、一緒に新型コロナウイルスと向き合って生きていきましょう。
皆さんの不安や心配な気持ちと寄り添って診察させて頂きます。いつでもご相談ください。

診療時間
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当院は「地下鉄呉服町駅1番出口すぐ」に位置します。

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